証券口座を開設する際、NISA口座も開設する人も多いと思いますが、どちらを開設したらいいかわからないという方のために比較しました。
一般NISAとつみたてNISAの違い
一般NISAとつみたてNISAは併用できないため、どちらか1つを選ばなければいけません。何が違うのでしょうか?
一般NISA | つみたてNISA | |
投資方法 | 通常買付・積立方式 | 積立方式 |
対象商品 | 上場株式・投資信託等 | 長期積立・分散投資に適した一定の 商品性を有する投資信託 |
非課税投資枠 | 年間 120万円 | 年間 40万円 |
非課税期間 | 最長 5年間 | 最長 20年間 |
ロールオーバー による継続保有 | 可 | 不可 |
投資可能期間 (口座開設可能期間) | 2014年〜2023年 | 2018年〜2042年 |
投資方法
一般NISAでは、1ヶ月に1回など定期的に一定金額の買付方法に加え、投資信託などを一括で購入する方法や、株式などを購入する方法でも利用することができます。つみたてNISAでは、1ヶ月に1回など定期的に一定金額の買付を行う方法に限ります。
対象商品
一般NISAでは、上場株式と投資信託であり、上場株式のうち、東証一部に上場している企業数だけで約2,200社あり、公募投信本数は約6,000本あります。取扱商品は金融機関によって異なりますが、これだけ多くの商品の中からどれを選べばいいか選ばなければなりません。
つみたてNISAでは、手数料が低水準、頻繁に分配金が支払われないなど、長期・積立・分散投資に適した投資信託と上場株式投資信託(ETF)に限定された、国が定めた厳しい条件をクリアした商品が対象となります。約200本あり、投資初心者をはじめ幅広い年代の方にとって利用しやすい仕組みとなっています。
一般NISAより対象商品の少ないつみたてNISAでも、約200本もあり、自分の投資スタイルに合った商品を選ぶことが重要です。
非課税投資枠
一般NISAは、年間120万円までで、スポット買付でも、つみたて買付でも利用できます。
つみたてNISAでは、年間40万円までで、毎月の積立金額の上限は、33,333円です。ボーナス設定を利用できれば、40万円を使い切ることもできます。
ただし、どちらのNISAでも、分配金の再投資する場合は注意しましょう。分配金は受取りか再投資を選択できますが、再投資を選択した場合、自動的にNISA枠での投資となり、ちょうど収まるように金額を設定したつもりでも、溢れて、枠を超えてしまうこともあります。
枠を超えてしまった分は、自動的に、税金が課税される口座での買付になります。
非課税期間
一般NISAは最長5年間であり、解約期間の制限はありません。5年以内に解約すれば、利益分に関して非課税で受取ることができます。5年以上保有する場合は、売却するか、課税される口座で継続保有するか、翌年の非課税枠を利用し、ロールオーバーすることもできます。
つみたてNISAは最長20年間であり、20年以内に解約をしなければ、課税されてしまうので、2・3年くらい前から解約するタイミングを検討した方がいいかもしれません。期間がきたから解約するだと、その時期がちょうど暴落のタイミングということもあるので、期間に余裕を持って解約を検討するようにしましょう。
ロールオーバーによる継続保有
一般NISAのみロールオーバーの利用ができます。
ロールオーバーとは、5年間の非課税期間が満了したあとでも、NISA口座で保有している金融商品を翌年のNISA非課税投資枠へ移すことで、再度5年間非課税で運用できることです。
手続きをすればさらに5年間、非課税枠を利用し保有することができ、金額には上限がないため、運用した利益を含めて120万円を超過する場合でも、NISA枠に移すことができます。金額は、移管時点の評価額で新たに買付されたものとみなされ、NISA枠を利用することになります。
120万円を超えてロールオーバーをした場合は、すでに非課税枠を使い切ってしまうため、その年の新規買付はできません。ロールオーバーの金額が120万円以内であれば残りの金額の範囲内で新規の買付をすることができます。
ただし、一般NISAは2023年までの制度となっているため、2019年以降のNISA利用分に関してはロールオーバーできないことになります。(2024年以降の新NISAの内容により変更になるかもしれません。)
投資可能期間(口座開設可能期間)
一般NISAは2014年〜2023年までで、2024年以降は新NISAが新設される予定です。
つみたてNISAは2018年〜2042年まで、まだまだ利用可能です。
選ぶ基準は?
- 投資先がつみたてNISAの対象商品か?
- 投資方法は通常買付か?
- 投資金額が年間40万円超えるか?
- 長期間運用予定か?
まずは、購入したい商品が、つみたてNISAの対象商品でなければ、自動的に一般NISAになります。
投資方法で、通常買付をするつもりであったり、投資額が年間40万円を超えるようであれば、一般NISAになります。
また、目的が老後資金のような長期的か、車を購入しようなどの短期的かどうかを考え、5年以内の短期的な目的であれば、金額や、対象商品の多い一般NISAを選ぶといいでしょう。
まとめ
購入商品が決まっていれば自動的に決まります。例えば、株主優待に興味があって株式投資をしてみたいというのであれば、一般NISAになりますし、株式投資は怖いから、投資信託をやってみようと思っても興味のある商品がつみたてNISAの対象外であれば、一般NISAになります。
今現在まとまった資金がないからといって、積立方式を考えている場合にはどちらも利用可能であるため、投資金額・期間などを考えて検討しましょう。
一般NISAとつみたてNISAどちらの方がいいというのはありません。自分の投資方法に合った方を選びましょう。もし、自分の投資方法と合わなければ、翌年から変更すればいいだけなので、とりあえずやってみるのもいいと思います。
選択しなければならないのに選択しないのは、それ自体がもう選択していることになる。
ウィリアム・ジェームズ
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